電気製品を製造・輸入販売するときは、
1.製品が電気用品安全法の対象であるかどうかを明確にする
・自己判断を行う
・判断できない場合は、登録検査機関、経済産業省などへ問い合わせて確認する
2.電気用品安全法の対象品の場合は、電気用品安全法に従って、適切な届出・技術基準への適合などを行う
必要があります。
製品が電気用品安全法の対象であるかどうか自己診断するするための情報として、
1.電気用品安全法施行令に記載している補足説明 (電気用品名毎に掲載しています)
2.電気用品の範囲の解釈 (電気用品名毎、共通解釈に掲載しています)
3.対象・非対象事例 (電気用品名毎に掲載しています)
4.質疑応答形式での回答書 (豆知識に掲載しています)
などがあります。
電気用品の固有の解釈もあれば、一般的な電気用品安全法についての説明等もあります。
用途や機能から対象と思われる製品であっても、特殊な事情等で対象でない場合があります(その逆もあります)ので、
正しく解釈をすることが必要になります。
電気用品安全法の対象品は「電気用品」と呼ばれ、電気用品安全法第2条【定義】で大枠が規定されています。
この定義に従って、細かく分類された「電気用品」として、
施行令別表第一:「特定電気用品」
施行令別表第二:「特定電気用品以外の電気用品」
の2つに区分され、合わせて457品目が指定されています。
1.特定電気用品
1)構造、性能、用途等から安全上の危険が発生する恐れの高いものを対象とします。
2)現在、116品目が指定されています。
3)登録検査機関による適合性検査を受検する必要があります。
4)適合証明書には電気用品名毎に有効期限が設定されています。
2.特定電気用品以外の電気用品
1)特定電気用品ほど危険の発生する恐れが高くはないものを対象とします。
2)現在、341品目が指定されています。
3)届出事業者の自主検査で製品を輸入・製造し、販売することができます。
1.製品仕様書の準備
製造・輸入する製品の製品仕様書を準備します。製品仕様書には、次の内容が含まれていることが必要です
1)用途
2)機能・性能
3)定格電源
4)意匠・構造
5)主な販売先・エンドユーザー
2.電気用品リストの調査
特定電気用品及び特定電気用品以外の電気用品のリストから、製品仕様書の用途・機能・性能などを比較して、
可能性のありそうな電気用品をリストアップします。
*商用電源(一般家庭用ではAC100V)で使用されるものは対象の可能性が高いです。
3.電気用品の補足説明および範囲の解釈の調査
リストアップした可能性のある電気用品について、施行令の補足説明、範囲の解釈、対象・非対象事例などを査読し、
どのような仕様が対象となるかなどを確認します。
製品仕様書と上記内容を比較し、電気用品の対象となるかを検討します。
4.登録検査機関への相談、経済産業省への問合せ確認
自己判断で確信が持てない場合は、登録検査機関へ相談したり、経済産業省に問い合わせを必ず確認しましょう。
1.製品仕様の確認
1)AC100Vで動作し、ジュース・ビール等を冷やすコンプレッサー式のミニ冷蔵庫。(消費電力100W)
2)ドアをガラス窓に変更し、中身が見えるようにしたもの
3)一般家庭の各部屋での個人ユースをターゲットとし、量販店等で販売をする。
2.電気用品リストの調査
特定電気用品及び特定電気用品以外の電気用品のリストから、用途・機能から可能性のある電気用品を探し出すと
次の2つになります。
a)特定 :電動力応用機械器具 「冷蔵用または冷凍用のショーケース」
b)特定以外:電動力応用機械器具 「電気冷蔵庫」
3.電気用品の補足説明の調査
ここでは補足説明のある「電動力応用機械器具」と「冷蔵用または冷凍用のショーケース」について確認します。
・電動力応用機械器具:定格電圧が100V以上300V以下及び定格周波数が50Hz又は60Hzのもので、
交流電路に使用するものに限る。
・冷蔵用または冷凍用のショーケース:定格消費電力が300W以下の冷却装置を有するものに限る。
⇒一人用ジュース保冷器は、いずれにも該当するため電気用品対象と判断できます。
4.電気用品の範囲の解釈の調査
ここでは、「電気用品の範囲の解釈」に記載されている内容を確認します。
冷蔵用または冷凍用のショーケース:冷蔵保管庫内の内容物が外部から透視できるものをいう。
但し、専ら家庭用に限定して使用されるものは、「電気冷蔵庫」で
対象として取り扱う。
⇒一人用ジュース保冷器は、冷蔵用または冷凍用のショーケースではなく、「電気冷蔵庫」と判断できます。
5.対象・非対象事例の調査
「冷蔵用または冷凍用のショーケース」、「電気冷蔵庫」に関する対象・非対象事例について確認します。
*この2品目については、対象・非対象の事例がありません。
6.自己判断
製品仕様から判断すると、「冷蔵用または冷凍用のショーケース」の可能性もありますが、電気用品の範囲の解釈に、
”但し、専ら家庭用に限定して使用されるものは、「電気冷蔵庫」で対象として取り扱う”と記載があるので、
自己判断としては、特定電気用品以外の電気用品ー電動力応用機械器具ー「電気冷蔵庫」と判断できます。
技術基準への適合、型式区分、事業届出書の確認等を進めていくことになります。